2014年10月13日月曜日

マイクロソフト SAM プログラム ライセンス調査 その1



去年の冬、マイクロソフトから緑色の封書が届く。定期的にサーバーだの商品の案内が来るんだけど、いつもパラっと見て捨ててる。今回も捨てようかと思ったが、どうやら様子が違う。
同封されている文面は以下の通り。


「昨今、一部の企業、公共機関や学校法人においてコンピューターソフトウェア製品が不正に使用されていることが、著作権保護団体等への情報提供、それに関連する報道等により、明らかになっております。コンピューターソフトウェア(ソフトウェア)のプログラム著作物は著作権法によって保護されており、著作権者から適正に許諾(ライセンス)を得ることなくソフトウェアをコンピューターにインストールしたり、使用したりすることは、著作権者の有する複製権(著作権法21条)を侵害する行為となります。弊社では、上記の法的リスクや、社会的信用が失墜してしまうリスクを回避していただくために、ソフトウェア資産管理 (SAM) のご支援を継続的に行っております。その一環として、ライセンス調査を実施しております。

本調査について、後日担当者よりご連絡申し上げます。

マイクロソフト ソフトウェア ライセンスを海外の親会社を通じて取得された場合、担当者にその旨をお伝えください。

ご不明な点がございましたら、IT資産管理推進部 までご連絡ください。このご案内が、ソフトウェア資産管理体制構築の一助となれば幸甚です。

ご多忙中とは存じますが趣旨をご賢察の上、本調査へのご回答よろしくお願い申し上げます。

尚、弊社では本調査を定期的にご案内しております。」


なんだこれ?
最初の文書見ると、うちの会社が不正発覚しました、みたいな内容じゃん。
 

数日後、マイクロソフトから電話で連絡が来る。可愛い声のねーちゃんだ。お世話様ですなんていうけど、別にお互いお世話になってないし。お世話様ですと返した自分が情けない。

まぁ声が可愛かったから紳士に対応した。

高圧的なやつがくるんだろう、と思ったら大変低姿勢 


文面は脅迫めいた感じではあるが、これは強制調査なのか?と尋ねると強制ではない、との事。

当社では全く生産性の出ない事だが、やる理由はあるのか?と聞いたところ、先に届いた文書の通り喋ってくれた。この文章の「法的リスク」と「社会的信用失墜」という言葉が任意だけど、強制させるんだろう。だから任意ではなく、これは強制なのである。


調査に協力しないと、「法的リスク」を使って「社会的信用を失墜させるぞ」という内容でとらえた。それを行うのはマイクロソフトなんだろうけどね。


ここで、調査を受けるにあたって、2つの選択がある。
1.ふざけんな!誰がやるかよ!!こっちは忙しいんだ!テメーが来て調べろ!ばーか。
2.冷静に対応。淡々と話を聞いて調査に協力する。

経緯を考えると、2を選択した方がいい。らしい・・・
1を選択してもいいのだが、パソコン1台1台調べられる事になる。
会社やってりゃ、機密情報だの管理系情報だの見られたくない情報もあるじゃん。
ほとんどの会社がそうだろう。
それを法的な調査でもないやつに見られるのは困る。

まぁ声が可愛かったから紳士に調査受ける事にした。

冗談だけど、会社の調査でいうと国からの調査。
税務監査から労働基準監督署などなど。
そういうのは誰の会社にも来るが、求められた資料以外は提出しないもん。

なので2を選択した方がいい。


電話を切った後、取引先のベンダーに
「こんなの届いたんだけど」
と聞いてみたら
「これは素直に受けた方がいいです。うちから納品して頂いてるパソコン・サーバー類は安全なので心配いらないですよ」


・・・まぁそうだけどさぁ。

「別に無視していいですよ。こんなの。」という答えを期待した。

しかしベンダーからはいい情報を手に入れた。
マイクロソフトの現状はとても経営が厳しいらしい。
一つは以前に比べてパソコンが壊れにくくなった事。これは買い換える必要がないという事だ。それではマイクロソフトのOSは頻繁には買わなくなる。
ユーザーにとっては有難いことだけど。
しかもXP問題で、ユーザー意識との不一致、段取りの不甲斐無さがMS離れを加速させている。

もう一つは、調査対象の企業は手あたり次第に行っているという事。企業HPか帝国データバンクか分からないけど、どっかから企業情報を入手して調査依頼を送りまくっているという事だ。

なんという街角アンケートみたいな手法。

会社名があれば、じーちゃんばーちゃんで経営している店なんかにも届くらしいよ。

「こういう時の為に資産管理システムありますけどどうっすか!?」


いらねーよ!!


ベンダーに全て委託しているみなさん。ベンダーはこういう調査来ても手伝ってくれないからね。普段は「御社とは友好関係を密にして・・」なんていい事いうけど。
自社でやらなきゃいけない。

ここで腹立つのが、前文にも書いた調査までの段取り。
国でも調査する前は、事前に電話して後日担当者が挨拶にくる。
しかし、マイクロソフトというのは文書・メール・電話のみ。

「あのなぁ、ねーちゃん、こういうの頼む時って人が挨拶に来るもんだぜ?会社だって素姓の知らないやつに情報出さないよ?ちゃんと挨拶に来て名刺交換なりするもんだろ、普通。新手の情報収集家か?」
と言ってやりたいところだが、来てもらっても対応したくないので気持ちだけに留める。

声が可愛いねーちゃんの顔は見たかったけど。

これはちょっと本当。

この調査を受けるにあたって気を付ける事がある。
・グループ会社の場合、会社名をよく見る事。指定された会社のみ調べる。子会社や提携会社まで調べる必要はない。これは税務調査でも同じ。情報の開示権限は経営者以外ないから。
親がA株式会社 子会社がB株式会社だったらAに調査依頼が来たらAのみ調べる。
以前、アホ部長がB株式会社に調査が入ったのにA株式会社の情報も調査職員に見せまくってた事があった。後から社長に殺されかけてたのを覚えている。


社長といえば、今回の件は社長には言っていない。
普通はこういうの届きましたって報告しないとダメなんだけどね。
経営者にとって嫌いなものは
「生産性のない業務」
だから。

仮に報告するとこんな答えが返ってくるだろう。
「何だそれ?調査終了までどのくらいかかるんだ?えっ?半年くらい??バカヤロウ!通常の業務どうするんだよ!!で、どんな調査するんだ?なにっ!?言っている意味が分からねーよ!バカヤロウ!」

あー怖い。今の書いた時点でゾッとする。うちの会社は体育会系のイケイケドンドンで
法的に違反しなければ・・・まぁいいや書くのよそう。
こんなパターンになるのは間違いなし。

今回の件は自分一人で行った。

そんなこんなで2日後にマイクロソフトからメールが届く。

初めてGoogleのブログやってみたけど使いやすいね。

1 件のコメント:

  1. こんなもんを声高々に各ソフトウエアメーカーがやりだしたら、この世は終わりぞw

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